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ライト兄弟とスミソニアン協会との大人げないケンカが長引いたため、結局スミソニアン博物館にライト兄弟の1903年の歴史的飛行機が展示されたのは1948年という事になってしまいました。その時すでにオービルもこの世にいませんでした。それまで間、イギリスのロンドンの博物館で展示されていたわけで、ライト史において、なんとも後味の悪い幕切れとなってしまいました。しかし現在ではその争いを知る人も少なく、国立航空宇宙博物館に足を踏み入れれば、目の前にライト1903年モデルが天井からぶらさがっていて、世界から訪れる観光客を歓迎しているように見えます。代わって、スミソニアンの主張の根拠であったラングレー博士のエアロドロームは、シルバーヒルに保管され、ここに展示されているのは、実験に使われた小型の模型飛行機だけになってしまったのです。
ここには1903年モデルだけでなく、1909年のミリタリー・フライヤーとモデルEX(ヴィンフィズ号)も展示されています。
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1903
WRIGHT FLYER 1903
ぼろぼろになったフライヤーが組み立てられ、ロンドンの科学博物館に運ばれたのが1928年、それから第二次世界大戦のロンドン空襲をなんとか切り抜けて、ふたたびアメリカの地を踏んだのが1948年。それ以来今日まで展示されているわけで、一応本物のフライヤーだが、翼布も白く、かなりの部分が作り直されている感じがする。なんか新しすぎて偽物っぽい感じもする。でも、当時これだけ飛行機らしい飛行機は他に見なかったわけで、ライト兄弟の、その遙かに進んだ技術が偲ばれる。繊細に毛計算されたフォルムは厳かでもあり、スミソニアン博物館の入り口を飾るにふさわしい。これがないと歴史物語が始まらない。
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MODEL EX "Vin Fiz"

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カル・ロジャースが1911年にアメリカ大陸を横断飛行した歴史的飛行機、モデルEX 「VIN FIZ」号。当時飛行機による横断は自転車による横断より困難だった。飛行機は何度も壊れ、修理の繰り返しだった。9月17日にニューヨークを発って、カリフォルニア州パサデナに着いたのが11月5日だった。ゴールに着いたときに残っていたオリジナル部品は垂直尾翼だけだったと言う。「VIN FIZ」はこの横断飛行のスポンサーとして、資金を提供した会社の製造していたソフトドリンクの名前。モデルEXはもともと展示飛行用に製作された機体で、EXはexhibitionを意味する略号である。スミソニアン博物館に展示されているこのライト・モデルEXもオリジナル、本物。

この飛行機は1994年に日本に運ばれ、東京幕張メッセにて公開された。左はその時に発行された記念メトロカード。
1909
MILITARY FLYER
これはモデルAから発展した、ミリタリー・フライヤーと呼ばれる機体。1909年に陸軍の要求仕様を全てクリアして採用に至った。アメリカ最初の軍用機である。スピードを上げるため、モデルAよりも翼幅を削っている。スミソニアンに展示されている機体は1911年に軍から寄贈されたもの。これも本物である。
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