18.第二次攻撃
1942年9月29日
二回目の攻撃をすることにした。前回と異なり、敵は警戒網を引いているので慎重を期して、夜間攻撃をかけることにした。天には月がかすんでおり天候はきわめて穏やか。夜中の12時を少し回ったところで藤田、奥田を乗せた小型水偵が発進した。西海岸は灯火管制のため町は真っ暗だったが、ブランコ岬の灯台は以前と同じように静かな海を照らしていた。前回と同様にブランコ岬を目標にした。今回は潜水艦の位置が陸地から90キロであるため、内陸の奥深くまで進入せず、オーフォードの近くに爆弾を二個落として引き上げることにした。夜なのでランデブーが心配である。任務終えた後、暗い海にあの小さな潜水艦を発見できるだろうか。藤田は少し不安になった。
「用意、テーッ」の掛け声で爆弾は闇の森林に吸い込まれていった。そして花火のように爆発した。
敵が警戒していることを案じて、藤田は小型水偵のエンジンを切ってふわふわとグライダーのように、音もなく海岸線にでた。再びエンジンをかけてランデブー地点に急ぐ。
「そろそろ母艦の上空のはずですが」奥田兵曹が言う。
見えない、いくら探しても伊25の姿が見えない。
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