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AGM-88 HARM、アメリカ製の対地ミサイル。HARMはhigh-speed antiradiation missileの略。敵のミサイル基地などから発せされる周波数を捕らえ、それを誘導波として利用して地上のターゲットに超音速で直進、撃破する。周波数などの策定、演算は機上で行われる。敵のレーダー波に乗ればミサイルは自動追尾するため、発射後、母機はすぐに回避機動を行うことかができる。米海軍ではF/A-18とEA-6Bに搭載可能である。一発のコストは2億円以上。
GBU-10 PAVEWAY II、アメリカ製の対地誘導弾。推進モーターを持たない自由落下式のミサイル。湾岸戦争では F-111に装備され、78パーセントの命中率を立証した。誘導方式はセミアクティブレーザー方式で、レーザー波をターゲットに照射し、その反射エネルギーを捕らえてホーミングする。レーザーをターゲットに照射する役割は、地上の工作員か、または仲間の航空機。米海軍ではF/A-18、EA-6B、F-14に搭載される。 |
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AGM-84 HARPOON、アメリカ製、対艦ミサイル。ハープーンは洋上の艦船を撃沈する目的で開発されたアメリカ唯一のミサイルで、ミサイルに内蔵されたレーダーシステムによって、自らのレーダー波で敵艦に照準を合わせてホーミングする能力を持つ。射程も90km 以上と長いことから、敵に発見される前に、スタンド・オフ攻撃ができる。米海軍ではEA-6B、F/A-18、S-3、P-3に搭載可能。コストは5億円以上とされる。日本の自衛隊では、日本国産のASM-1がこれに相当する。 |
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AGM-65 MARVERICK、アメリカ製、対地ミサイル。テレビカメラでターゲットを認識してホーミングするミサイルで、空軍では戦車など地上攻撃用に開発されたが、海軍では主に対艦用として使用されている。海軍向けは、普通のテレビカメラに換え、赤外線テレビカメラが搭載されている。その重量と形状から、厚い鉄板を貫通することができる。遅延信管が採用され、ミサイルがターゲットの表面を貫通してから爆破するように設定できる。海軍ではF/A-18に搭載可能。 |
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GBU-24 PAVEWAY III、アメリカ製、対地ミサイル。レーザー誘導式で、前述のGBU-10 PAVEWAY IIの翼を拡大し、飛翔性能を高めたモデル。敵レーダー網を避け、低空で進入した母機から投下できるように設計され、ミサイルもそのステルス性が向上している。この手のフリーフォール型ミサイルの特徴はなんといっても、製造コストが安くあがる事で、単価は数千万円程度と思われる。 |
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AGM-119 PENGUIN、アメリカ海軍が採用した唯一のノルウェー製ミサイル。NATO軍の標準兵器としても採用されている。もともとは艦船から発射されるミサイルとして開発された。赤外線ホーミング方式で、その精度の高さが評価されている。特に洋上に浮かぶ艦船は、周囲の温度が低いだけに、赤外線の絶好のターゲットとなる。左の写真はSH-60Bに搭載されている状態で、翼が折り畳み式になっているのがわかる。米海軍ではもっぱらSH-60B用として使用されている模様。強力な兵器にペンギンという名前はどうかと思うが、翼を広げるとなんとなくペンギンみたいだ。 |
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AIM-54 PHOENIX、アメリカ製の空対空ミサイル。F-14トムキャット搭載兵器として開発された、超ロングレンジ(200km)のレーダーホーミング方式のミサイル。機上に搭載されたレーダーにより、目視不可能な敵機を発見すると同時に、敵機をロックオンして発射できる、完全なスタンド・オフ能力を備える。まさに最強の空対空ミサイルである。F-14はこれを6発まで携行可能。ミサイル単価はやはり5億円以上。
AIM-9 SIDEWINDERは空対空ミサイルとして最も標準的なミサイルで、誘導は赤外線方式。敵のアフターバーナーめがけて直進するため、これも撃ち放しが可能である。汎用性が高く、世界中の空軍で使用されている。バリエーションも多い。ちなみにサイドワインダーはガラガラヘビのこと。ガラガラヘビも熱線に反応して、獲物に飛びかかるとか。 |
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AIM-7 SPARROW、アメリカ製、空対空ミサイル。これも多くの国で採用されている代表的ミサイル。セミアクティブ、レーダーホーミング方式で、母機から敵機に向かって照射されたレーダーの反射によって、ミサイルがターゲットを捕らえ、自動追尾する。従って、母機はミサイルが敵機を確実に捕らえるまでレーダーを敵機に浴びせ続けなければならず、発射直後に回避行動を起こせないと言うデメリットがある。またミサイルの後尾にも受信装置があり、母機からのコントロール信号も受信することができる。レーダーホーミングで、全天候性能を持ち、一発1億5000万円くらいで、お買い得なのが魅力。 |
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AGM-62 WALLEYE、アメリカ製のフリーフォール式、対地ミサイル。基本的には地上のレーダーサイト、燃料タンク、港湾施設、橋梁、弾薬倉庫などをメインターゲットとして開発された。誘導はテレビカメラ方式。従って、視界が悪い時には極端に精度が落ちる。湾岸戦争でもあまり評判はよくなかった。海軍ではF/A-18に搭載可能。 |