舞岡公園を歩く> 2023年秋>アカモジホコリ

 いくら小さくて美しくても、あくまで粘菌でなくては思わず溜息が漏れる最高クラスの癒しは得られない。何よりその神秘性が魅力だ。何気なく拾い上げた朽ちた小枝の一部に、アカモジホコリを発見した時の驚きと感動は尋常ではなかった。心臓麻痺を起こさないように、ひとつ深呼吸をしてはしゃぐ心を押さえ、平静に努めた。裸眼で確認できないほど小さな赤いドットをマクロレンズで拡大すると、躍動感溢れるアカモジホコリの団体が背面液晶に投影された。アカモジホコリのその鮮やかな頭の中は無数の胞子で満たされており、爆発しないように我慢しているのか、みんな男梅みたいな形相をしていた。アカモジホコリの身長は1.5mm。小さな体に人を幸せにする不思議なパワーがみなぎっていた。粘菌は年金より人生を豊かにする。

23/9/12 11:33 OLYMPUS TG-6, 18mm f6.3 1/100 ISO1600 Focus stacking

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アカモジホコリ
アカモジホコリ