汗ばむ暗い土の中で意識が戻った。麻痺している重い手足をむりやり動かして穴から這い出してはみたものの頭はぼんやりして夢心地、いったいここがどこか思い出せない。明るい太陽に焦げそうになる目を無理やり開いてみれば、目の前に古民家。そうだあの時、カラスに追われて古民家のまわりを逃げ回っていた。そして冬眠に十分な食料も見つからず、やがて寒さも限界になり、空腹でひもじいまま眠りについたのだった。今、まわりにボクのほかにカエルの姿が見えない。季節的にちょっと早く起きすぎたか、いやこの気温だ、すぐに他の仲間も起きてくるだろう。まずは一足先に水風呂につかって去年のアカを流そう。
2018/3/4 9:00 OLYMPUS E-M1 Mk2 M.ZUIKO ED 12-100mm F4.0 IS PRO, f4 1/800 ISO250