碧天に冴えわたるホーホケキョの声に、その音源からずっと下の方、光がまだらに差し込む藪の中では、メスと見られる小ぶりのウグイスが一羽、ジュッジュッと鳴きながら針金のような細い枝を集めていた。巣作りだろう。やがて愛の巣が完成し、卯の花の匂う頃、ホトトギスがやって来て忍び音をもらすと、ウグイスが外出したスキに、さりげなく自分の卵をその巣に産み落とす。ウグイスはそれに気が付かず、ホトトギスの子を自分の子のように最後まで育てると言う。自然界だからこそ通用する理不尽で無責任極まる感動のドラマがもうじき始まる。
23/4/27 10:15 OM SYSTEM OM-1, M.ZUIKO ED 300mm F4.0 IS PRO with MC-14, f5.6 1/750 ISO200 -0.5EV