ソメイヨシノが開花するように、ある日ある種の虫が一斉に姿を現す事がある。青い小さな虫はふにゃららヨコバイの幼虫だろう。このあたりに100匹以上いるような騒ぎだ。杭の上で皆同じ方向を向いた集団はメダカの学校を彷彿とさせる。ちょっと脅かすと一斉に横に動き、だれひとり前に出たり、後ずさりする者はいない。ディシプリンに優れたチームと言える。横に動くのは身を隠すのに都合が良い。昆虫の場合普通に歩いて物陰に隠れようとすれば、最初頭、最後にお尻が見えなくなるが、横に動けば一気に全体が隠れる。またこの虫は蜘蛛の糸を何とも思わないようで、さも自分で架けた糸のように我が物顔でぶら下がり、六本の足を不器用に動かして歩いていた。前にも歩けるじゃん。この歩き方、どこかカメレオンに似ている。
陰でおなかをすかしたハエトリグモが微笑んでいた。
23/4/3 9:35 OM SYSTEM OM-1, M.ZUIKO ED 300mm F4 IS PRO with MC-14, f13 1/125 ISO2000 -1.0EV