遥かなるホトトギスの呼び声「トッキョキョカキョク」を追いかけ、恋のフーガのように、追いかけて追いかけて、そしてやっとすがりつくことが出来た枝どまりショット。むかしから歌や句に詠まれ、その世界では人気者のホトトギスだけれど、実はおいそれと人前に姿を見せてくれる輩ではなかった。オスをファインダーに捉えたこの日は幸いメスと連れ立っていた。オスは血を吐くほど鳴き続けているのに対し、メスは密やかにおとなしく、たまにキョッキョッキョッと短く応えるだけ。やがてどこからともなく別のオスの鳴き声が聞こえてくると、急に鳴くのを止め、二羽ともどこかに姿を消してしまった。森に静寂が戻った。どこかでオス同士の決闘裁判が始まったのかもしれない。鳴き声が戻ることは無かった。上の写真はメス。下の写真二枚はオス。外観から雌雄を判別するのは難しい。
23/7/22 8:31 OM SYSTEM OM-1, M.ZUIKO ED 300mm F4.0 IS PRO with MC-14, f5.6 1/350 ISO1000
