暖冬で、小春日和が多く、まさかの夏日があったり、大惨事を予感させる不気味な冬ではあるが、季節は着実に移るもの。12月の上旬に木枯らし一番の代役として冬の到来を誰よりも早く伝えてくれたのは、毎年この時期に最盛期を迎えるクロスジフユエダシャクという小さく目立たないな蛾だった。上の写真はオスであり、メスには翅がない。オスとメスが互いに求め合ってあっちこっちむやみに飛び回るより、一方がじっとして待っていたほうが出会いの確立は上がるという寸法だ。11月から12月にかけて羽化したオスは冷たい風の中で木の葉のように揺れながらメスを探し、やがて枯葉の絨毯に隠れて交尾する。他に何も考える必要のない理想的な一生だ。あやかりたい。
18/12/4 10:32 OLYMPUS E-M1 Mk2 M.ZUIKO ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-14, f5.6 1/125 ISO800