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OpenSky2013


 
 3331 Arts Chiyoda にて八谷和彦(はちやかずひこ)の個展が開催された。OpenSkyとは自作ジェット機開発プロジェクトの名前である。アニメ映画「風の谷のナウシカ」に出てくる架空の飛行器「メーヴェ」に魅せられ、それを本物の飛行機として設計製作、完成してしまったのはメディアアーティストの八谷和彦氏。構想から10年の歳月をかけ、ついにその夢を実現した。夢請負人みたいな人だ。人を乗せて飛べるメーヴェの可能性を机上で計算し、まず1/2スケール、1/5スケールの模型で確認した後、滑空実験、完熟飛行用のプライマリーグライダーを2機製作した。そのグライダーもここに展示されている。八谷氏はハンググライダーのトレーニングを繰り返し、短期間に操縦感覚を身につけた。そして今ではプロジェクトリーダー兼テストパイロットである。
 また飛行機の開発にあたって、三菱航空機、ホンダなどで活躍するその道の有識者にインタビューを行っている。
 残念なことに日本ではしばらく独自開発の飛行機の登場がない。先進国の中にあって飛行機開発ができないのは日本だけだ。メーヴェM-02Jが完成して、航空局に試験飛行の申請をしたのが2013年3月、許可が下りたのが7月だった。これだけ時間がかかったのは、申請する側ではなく許可を出す側に経験が無かったからだろう、と氏は話す。なるほど。
 海を渡れば手作りの飛行機はゴマンとまでは言わなくても、日常飛んでいるのを簡単に見かけることができる。日本では動力付きの飛行機を自分で作って飛ばした例は極めて少ない。M-02Jがナウシカのごとく日本の航空工業界に対して、何かをうったえてくれればいいな思う。  展示場では八谷氏が飛行機をわかりやすく説明し、見学者の質問に丁寧に応じていた。折しも、まさこの時刻、日本の最新型ロケット、イプシロンが打ち上げに成功した。

【M-02J 諸元】
(M はもちろんメーヴェを意味する)
全幅9.63m
全長2.67m
全高1.36m
最大離陸重量173kg
自重88.6kg
最大パイロット重量70kg
燃料積載量18L
翼面積12.2u
失速速度43km/h
最大水平速度105km/h
滑空比離12:1
陸滑走距離80m
エンジンAMT TITAN 推力40kg
機体製作担当:有限会社オリンポス 四戸 哲
【日時】2013年9月14日(土)14:00
開催日:7月13日-9月16日
【場所】3331 Arts Chiyoda
【撮影機材】 NIKON1J1, 1NIKKOR 6.7-13mm

本も同時に発売されました。
M-02Jの開発物語だけでなく、八谷氏の様々な活動に関する話もあり楽しく読むことができます。



今回の展示会のパンフレット

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