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9月16日(金)最悪の事故で幕を閉じた今年のリノ・エアレースだが、いくつかの素晴らしいショーもまた心に残るものとなった。 そのひとつがこれ、民間ジェットアクロチームの「パトリオッツ」が初登場。サンダーバーズは早めに引き上げ、常連スノーバーズの参加も無い、ちょっとさびしいかも、と思われた今年のリノ・エアレース会場に新風をプレゼントしてくれた。 6機のL-39と言う民間のチームにしては非常に贅沢な構成。しかもクルーの移動用の専用機も備えており、かなり本格的。そしてその個性的で質の高い演技は観客をうならせた。 その演技内容はブルーエンジェルスともサンダーバーズともブルーインパルスとも違う、世界のアクロチームのどれにも似ていないような・・・と思わせるチーム。正確な編隊飛行の妙を見せるチームでもなく、上空にスモークで絵を描くだけのチームでもない。そのスモークは赤、青、白を使う。これも民間にはあまり例を見ない。ブルーインパルスだって、現在は白だけだ。スモークを断続的にオンオフするのもなんとなく不思議だ。 演出家がいるのだろうか、専門の振付師もいるのかもしれない。6機編隊、5機、4機、2機、ソロとか、やたらコンビネーションが入れ替わる。それが予想もしない位置から進入してきたり、会場正面で交差したりする。6機が自由に、縦横無尽に空を暴れまわっているように見える。しかし各機の空中でのポジション、交差するタイミングなどは微妙に計算つくされ、一定の規則に従って飛んでいるはずなのである。音楽で言えばジャズか。スキルの高さを感じる。 だからもう食傷気味の、ごく普通のデルタ編隊ループや、スモークでハートを描いたりするようなマネはしない。その代わり、機がお互いに高速で、ぎりぎりですれ違うシーンやソロ対ソロの演技が多い。各機がリーダーの指示で動くのではなく、自由に自分の技量を発揮している感じ。これらを実現するには、十分な時間をかけた綿密な打ち合わせとトレーニングが必要だろう。 その飾り気の無い、真っ黒な機体は自信の表れなのかも知れない。実を言うと、黒いジェット機を自由に操っているのは、元ブルーエンジェルス、スノーバーズ、サンダーバーズのパイロット達なのだから。 20分間の、間の空かない、スピード感のある、新鮮なアクロだった。三日間飛ぶ予定だったのに、この日、一日かぎりのショーになってしまったのが残念だった。 |
【日時】2011年9月16日(金) 【場所】ネバダ州リノ市ステッド飛行場 【撮影機材】 NIKON D3, NIKKOR 80-400mm |
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