ライト兄弟とスミソニアン協会との大人げないケンカが長引いたため、結局スミソニアン博物館にライト兄弟の1903年の歴史的飛行機が展示されたのは1948年という事になってしまいました。その時すでにオービルもこの世にいませんでした。それまで間、イギリスのロンドンの博物館で展示されていたわけで、ライト史において、なんとも後味の悪い幕切れとなってしまいました。しかし現在ではその争いを知る人も少なく、国立航空宇宙博物館に足を踏み入れれば、目の前にライト1903年モデルが天井からぶらさがっていて、世界から訪れる観光客を歓迎しているように見えます。代わって、スミソニアンの主張の根拠であったラングレー博士のエアロドロームは、シルバーヒルに保管され、ここに展示されているのは、実験に使われた小型の模型飛行機だけになってしまったのです。
ここには1903年モデルだけでなく、1909年のミリタリー・フライヤーとモデルEX(ヴィンフィズ号)も展示されています。 |